アイキャッチ

2016年09月01日
すずきクリニック健康倶楽部 平成28年秋季号
少しずつ秋の気配が感じられるようになりました。皆様の体調はいかがでしょうか。 すずきクリニック健康倶楽部はほぼ定期的に発行するように心掛 けておりましたが、今年は春の発行を見送らせていただきました。 9月になってやっと、今年の2号目を発行いたします。

 

4月の保険改訂の概要


2年ごとの保険薬価の改訂が4月に行われました。医療費は年々増え続け、平成26年には40兆円を超えました。政府としては何とか医療費をおさえたく、色々と保険の仕組みを変えて抑制の方向に導くように考えています。一番簡易な方法としてジェネリック医薬品の使用を増やすように誘導しています。処方箋を良く見ていただくと薬剤名に一般名が書かれていることがあります。一般名で書かれた処方箋の場合、先発品もジェネリックもどちらを選んでも良いのですが、薬局ではジェネリックを勧めるようです(これにはチョットしたからくりがあります)。しかし先発品とジェネリックのどちらを選ぶかは患者さんの自由です。 また、最近ジェネリックを勧める文書が保険組合から送られているようで、書類をもって相談に見える方がたくさんおられます。患者の皆様が迷ってしまうような文章ですので、私の個人的な見解を述べさせていただきます。

先発品もジェネリックも薬一錠の中の成分に違いはありませんが、薬を含有し吸収よくするための基剤に差がありますので、実際は薬効に差が生じることがあります。具体的にわかりやすい例を挙げると、湿布薬の場合、先発メーカーは研究費をつぎこんで貼りやすくかぶれのない基剤を使用していますので、ジェネリックに変更すると、皮膚が赤くなったとか全然効かなくなったなどと訴える方がいます。

それではどちらを選択したらよいでしょうか。両者の違いとして薬の値段がジェネリックのほうが3~4割安くなります。経済的な面を考えなければならない場合はジェネリックに変えてみましょう。絶対的に先発薬を服用していただきたい薬は心臓関係の薬です。一方、胃薬や脂質異常症の薬はジェネリックでも良いかと考えます。

そのほか4月以降の変更点として覚えておいてほしいことの一つに病院受診の際に紹介状を持参することです。病院によって違いはありますが、紹介状なしの場合通常の医療費とは別に 3000~5000円余計に請求されるようです。厚労省は病院と診療所の役割分担を考えており、風邪やちょっとした腹痛などで大病院を受診しないように勧めるためです。診療所の医師の立場からしてもこれは大事なことで、紹介状をもって大病院を受診してもらうと、後で病院からの報告書がいただけるので、病状が落ち着いた後の治療継続に役立ちます。

もう一つ皆様はお薬手帳をお持ちと思います。医療機関受診時には保険証とお薬手帳を持参しましょう。薬局の支払いが少し安くなることがあります。それ以上に薬の確認や他医との重複を防ぐことができます。4 月保険改訂による注意点を一部記載しました。

 

週刊誌に特集される薬悪者論


最近週刊誌に薬の害についての特集記事が連載されています。そのため名指しされた薬を服用中の患者さんの立場になるとこの薬を飲み続けて大丈夫だろうかと心配になります。

私も記事の一部を読んでみました。たとえば降圧剤についてです。日本ではオルメテックやブロプレスのような ARB といわれる降圧剤が多量に処方されています。欧米では似た作用の降圧剤としては、ACE 阻害薬のほうが多く使われています。どちらも大変良い降圧剤ですが、ACE 阻害薬のほうが安価です。ただ ACE 阻害薬の欠点は咳を誘発することがしばしばみられます。そのために日本では使用頻度が減りました。人種による薬の効き具合の差もあるようです。

もう一つコレステロ ールを下げる「クレストール」という薬 があります。スタチンといわれる薬です。

30 年前にはコレステロールを下げるための薬がなかったことを考えると隔世の感がします。この薬を服用すると筋肉が溶けるという表現をしています。確かに極めてまれに起こる現象です。10000人に 5 人ぐらいに横紋筋融解症が起こります。ほとんどないといってよい副作用ですが、記事を見ると大変怖い薬の印象です。しかしこの薬の効果はコレステロールを3~4割下げます。この有効性は捨てがたいものです。実は私はLDL コレステロール値130台ですが、5年ぐらい前より「クレストール」を服用しています。動脈硬化になりたくないのが、服用の理由です。記事には間違った記載がたくさんあります。有用な薬を間違った記事のためにやめてしまうのは命を縮めるかもしれません。薬をやめたいときや、疑問をお持ちの時は遠慮なく相談してください。

 

日本医師会認定スポーツ医


4月にスポーツ医の認定を受けました。「ロコモ」に対する適切な指導ができるようにと考えています。

一覧へ戻る


すずきクリニック
すずきクリニック 外観
住所
北区赤羽2-69-4
クリニックプラザ21 1階
赤羽駅8分・赤羽岩淵駅2分 
TEL
03-3598-3310
受付
09:00~12:30
14:30~18:30
診療 日祝
午前09:00〜12:30
午後14:30〜18:30

休診日:木曜午後・土曜午後・日祝日

臨時休診・診療時間の変更はお知らせをご覧ください

休診日:木曜午後・土曜午後・日祝日

臨時休診・診療時間の変更はお知らせをご覧ください