アイキャッチ

2017年01月04日
すずきクリニック健康倶楽部 平成29年新年号
皆様の今年一年のご多幸をお祈り申し上げます。
今年は何とか健康倶楽部を年4回発行したいと考えています。

 

脳梗塞予防のために


脳梗塞の患者さんを診ていると、麻痺、言語障害などにより本人だけでなく家族の負担の大きな場合が多数みられます。最近では脳卒中の患者さんの6割ぐらいが脳梗塞です。なぜ脳梗塞の患者さんが増えているのでしょうか。脳梗塞の原因は動脈硬化や、血栓により脳の血管が詰まる病気です。食生活の欧米化や喫煙が動脈硬化を助長することが大きな原因になっています。

生活習慣が乱れ、喫煙、多量飲酒、不適切な食生活、運動不足が日常的になると高血圧、糖尿病、不整脈、脂質異常症から肥満症、メタボリック症候群などが起こり、この管理ができないと脳卒中を引き起こすことになります。

日本脳卒中協会から脳卒中予防の十か条が発表されています。以下に十か条を掲げます。

ご自分に当てはまる項目がいくつあるでしょうか。
1) 高血圧から治しましょう。
2) 糖尿病をほっておいたら悔いを残します。
3) 不整脈には大変危険なものもあります。
4) タバコは一番大きな危険因子です。強い意志を持ちましょう。
5) 高いコレステロールも時に危険です。
6) アルコールは控えめに
7) 食事の塩分・脂肪を控えましょう。
8) 体力に合った運動を続けましょう。
9) 太りすぎは万病のもとです。
10) 脳卒中かなと思ったらすぐに病院に行きましょう。治療は時間との勝負です。

以上の十か条を今年の目標にしましょう。

 

妻を癌で失って思う事


昨年11月26日未明に妻を亡くしました。5年間の闘病生活でしたが病に負けず死の恐怖と闘いながらしっかりと生きてくれました。

医者としてまた夫として5年間支えたつもりではありますが、かなり足りないものがあったような気がしてなりません。第一は医者としては妻の病気をもっと早く見つけられなかっただろうかということです。

妻の病気は胸腺癌という私自身経験のない、また治療法の確立していない珍しい癌でした。見つかったときには、既にあちこちに転移しており、余命は数か月、よくて2年という状況でしたが、ほとんど無自覚でした。胸部レントゲンを見た時には驚きの一言でした。あとどのくらい命があるのだろうと考えると目の前は真っ黒でした。両側の肺に 10円玉ぐらいの影がいくつもありました。一年前のレントゲンを何度見返しても何も異常はなくCT検査でもしない限りは異常を見つけることはおそらく不可能だったと思います。

妻の家系はどちらかというと癌の家系のため普通の検診のほかに胃、大腸、乳房、子宮などの婦人科の検診は毎年やっていました。残念なことにCTやPETなどの画像検査は一度も受けたことがありませんでした。しかし疑いのない人が受けるべき検査かというと、そうではないと思いますが、悔いが残ります。

第二は夫としては癌に向き合って耐えている妻を、しっかり支えられたかどうかということです。どうも多くの医者は自分が体験したことがないと患者さんの訴えを、軽く考えてしまう傾向にあるのではないでしょうか。例えば腰の痛みを訴える患者さんがいたとして、医学的にやるべき処置をやっても痛みが取れないことはたくさんあります。この時私はやるべきことをやっているのだから、仕方のない痛みだと考えてしまいがちです。しかし患者さんにとっては実際痛みが残っているのですから不満が残ります。私の妻の場合は抗がん剤の副作用としては「しびれ」が一番嫌な副作用だったようです。感覚が麻痺してしまうために歩行が危なっかしくなります。痛みは麻薬系の薬を上手に使えばある程度コントロールできましたが「しびれ」は難しい副作用でした。

癌患者を家族に持った時に何が一番大切かというと死ぬことに対しいつも恐れている癌患者に対しての思いやりと家族の愛情だろうと考えます。

癌患者をもって初めて気づくことが沢山ありました。この経験を今後の治療に生かしていくことが、患者さんのためであり、妻の供養にもなるかとも考えています。

一覧へ戻る


すずきクリニック
すずきクリニック 外観
住所
北区赤羽2-69-4
クリニックプラザ21 1階
赤羽駅8分・赤羽岩淵駅2分 
TEL
03-3598-3310
受付
09:00~12:30
14:30~18:30
診療 日祝
午前09:00〜12:30
午後14:30〜18:30

休診日:木曜午後・土曜午後・日祝日

臨時休診・診療時間の変更はお知らせをご覧ください

休診日:木曜午後・土曜午後・日祝日

臨時休診・診療時間の変更はお知らせをご覧ください