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2019年07月01日
すずきクリニック健康倶楽部 令和元年夏季号
令和最初のすずきクリニック健康倶楽部をお届けします。

高血圧のガイドライン


5 年ぶりに高血圧ガイドラインが改訂になりました。ニュースを見て気にしている方も多数いることと思います。今回のガイドラインでの最大の特徴は高血圧基準値は 140/90mmHg と 5 年前と変わりありませんが、大部分の患者さんに対し 130/80mmHg 未満を目標にしましょうと強化しました。このことをマスコミが強調したために何人もの患者さんから質問を受けました。

では具体的にはどのように決められたでしょうか。120/80mmHg 未満を正常血圧、130/80mmHg を正常高値血圧、さらに140/90mmHgを高値血圧と決めました。あくまでもこの数値は目標値であり、高血圧基準値は従来どおりの 140/90mmHg を維持しています。

高血圧を放置した時にどんな危険性があるでしょうか。血圧が高い、基準値をすこし上回ったからといってすぐに問題が起こるわけではありません。長期にわたり血圧を放置していると引き起こされる合併症が問題になります。高血圧は脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)、心臓病(冠動脈疾患、心肥大、心不全)、腎臓病、心大血管疾患の重大な原因疾患です。

日本では 1960 年代は脳卒中の死亡率が世界で最も高い国でした。この 50 年の間に塩分摂取量を含めた食事の変化があり近頃は脳卒中よりも心疾患による死亡のほうが多くなっています。

また最近になり慢性腎臓病(CKD)と高血圧の関連が強く言われています。検診で eGFR という項目の記載に気づいておられますか。これは腎臓の働きの簡単な指標として近年使われています。eGFR が 30 以下になったらかなり危険な状態です。その他に血管性認知症と高血圧の関連もあり、注意が必要です。

日本人の場合の高血圧は依然として塩分摂取が多いことが原因です。日本人はおよそ 10g/日の食塩を摂取しています。欧米のガイドラインでは目標を 5g/日としています。塩分 5g というとほとんど塩味を感じない食事になります。

従来日本人は痩せていたのですが最近は肥満者が増えています。特に男性では BMI25 以上の方が 30%に増加しています。この事はかなり高血圧を助長しています。その他の危険因子としては喫煙も上げられます。

さて実際の血圧測定と高血圧の診断です。
高血圧の治療目標は個々の合併症により多少異なります。前回のガイドラインから家庭血圧の測定が推奨され、外来の血圧だけで判断するのは止め、家庭血圧の数値を優先的に考えることが推奨されています。どうしても外来で私たち医者の前に座ると極端に血圧が上昇してしまう白衣高血圧といわれる方もいます。しかし平均値をとればその差は 5mmHg ぐらいのことが多いようです。家庭血圧を優先的にみるかどうかは患者さんと相談して決めています。

高血圧と診断され内服治療をされている方は特に家庭血圧の測定をお勧めします。いずれにせよ高血圧は基本的には症状がありません。だからといって勝手に薬をやめることはしないでください。

 

過活動膀胱治療薬


頻尿や尿の切迫で漏れてしまうなどでお困りの方が多数おられます。過活動膀胱といいます。色々な原因がありますが多くは膀胱が十分に尿を貯められなくなることが原因です。今までの頻尿治療薬は膀胱の周りの排尿筋肉を緩め膀胱を拡げ尿が漏れないようにする抗コリン薬といわれるものです。効果が不十分だったり口渇、便秘の副作用のために十分な効果が得られず途中でやめてしまう患者さんがいます。

一方最近発売されたβ3 刺激薬といわれる薬剤があります。β3刺激薬の働きは膀胱を拡げ尿道を縮めることで尿を蓄えやすくし、尿意の切迫感や頻尿を防ぐ働きがあります。副作用が少なく症状改善も従来の薬より、効果が認められます。遠慮なく相談してください。

 

夏季休診のお知らせ


8 月 12 日(月)~16 日(金)までお休みをいただきます。

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