2024年04月05日
すずきクリニック健康倶楽部 令和6年春季号
今年は比較的温かい冬でしたが、桜の開花は例年より遅く東京は3月29日でした。この後すがすがしい春を迎えたいと思いますが、どうなりますか。例年健康倶楽部春季号に荒川土手の満開の桜の写真を掲載していますが、今年は間に合いませんでした。
このところ紅麴入りサプリメントによる健康被害が話題になっていますが、お亡くなりになった方の死因が、腎臓機能低下にあったようです。
腎臓の臓器としての役割は大変重要で、尿を作るだけでなく血圧の調整、カリウムなどのミネラルバランスの維持、酸性アルカリ性のバランス調整、赤血球を作るホルモン分泌、ビタミンDの活性化などの沢山の役割があります。慢性腎臓病は軽症の間はほとんど無症状ですが、重症になるとむくみ、夜間頻尿、倦怠感、手足のしびれなど症状が出現します。
失われた腎臓の機能を取り戻すためのお薬は今のところありません。最終的には透析治療となります。透析にならないために、できるだけ腎機能の低下を防ぐための対策を講じる必要があります。
最近は乳幼児の場合は10種類以上のワクチン接種がありますが、成人のワクチンも以前のインフルエンザ、コロナばかりでなく、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、さらにRSワクチン接種が一月から可能になりました。今後ますます色々なワクチンが開発されることが予想されます。
RSウイルスの感染は乳幼児期の感染症としては重要な感染症ですが、このウイルスは生涯をを通じて繰り返す感染症のため、また成人では風邪以上には重症化しない事が多いため、皆様にお知らせすることもありませんでした。
成人の場合は自然治癒も多いのですが、高齢者の呼吸器感染の場合は、重症化することが時々見られ、特に喘息、慢性気管支炎、COPDなどの基礎呼吸器疾患をお持ちの65歳以上の方は肺炎になるリスクが大きいのでワクチン接種の検討も必要と考えます。
RSウイルスが原因の肺炎は、入院期間が長く、30日を超えることが珍しくありません。
RSワクチン接種は60歳以上の方が対象で自費となり、およそ25000円です。
昨今の報道で麻疹の感染者数の増加と、その重篤性についての注意喚起が盛んに言われています。
麻疹とはどんな感染症でしょうか。
症状:初めはいわゆる風邪症状で始まります。発熱、咳、くしゃみ、鼻水、目の充血などです。この時点では麻疹とは考え憎いのですが、一旦熱は下がりその後40度近い高熱となり、特有の発疹が出現します。肺炎や脳炎を引き起こし重症化する例がみられます。脳炎は1000人に1人の割合で起こり死亡する例もあります。
さらに稀ですが、麻疹が治癒した後5年ぐらいたってから「SSPE」亜急性硬化性全脳炎という病気を発症することがあります。SSPEは麻疹のウイルスが中枢神経に潜み長い潜伏期間を経て発症します。突然日常の行動ができなくなったり、異常行動が目立つようになります。亡くなることもあります。
麻疹の感染経路:患者の咳などにより放出されたウイルスを吸い込んで感染する、飛沫、接触感染ですが、新型コロナの10倍近い強い感染力があります。
麻疹の予防:麻疹には治療薬がないので、2回のワクチン接種を7歳まで(公費で接種可能)にしておく必要があります。ただし年代により未接種の方(1972年以前に生まれた方)もいます。1回しか接種していない方は2回目の追加接種が必要です。
これらの報道を受け麻疹のワクチン接種を希望する方が、急激に増加しています。
麻疹の流行といっても新型コロナやインフルエンザとは違います。冷静になり自分の抗体価を測定してから、予防接種をしても良いのではないかと考えます。
通常の医療体制に4月から移行するため公費負担は終了します。全額ではありませんが、医療費の自己負担に応じた窓口負担が必要です。
すずきクリニック健康倶楽部 令和6年春季号
今年は比較的温かい冬でしたが、桜の開花は例年より遅く東京は3月29日でした。この後すがすがしい春を迎えたいと思いますが、どうなりますか。例年健康倶楽部春季号に荒川土手の満開の桜の写真を掲載していますが、今年は間に合いませんでした。
慢性腎臓病について
このところ紅麴入りサプリメントによる健康被害が話題になっていますが、お亡くなりになった方の死因が、腎臓機能低下にあったようです。
腎臓の臓器としての役割は大変重要で、尿を作るだけでなく血圧の調整、カリウムなどのミネラルバランスの維持、酸性アルカリ性のバランス調整、赤血球を作るホルモン分泌、ビタミンDの活性化などの沢山の役割があります。慢性腎臓病は軽症の間はほとんど無症状ですが、重症になるとむくみ、夜間頻尿、倦怠感、手足のしびれなど症状が出現します。
失われた腎臓の機能を取り戻すためのお薬は今のところありません。最終的には透析治療となります。透析にならないために、できるだけ腎機能の低下を防ぐための対策を講じる必要があります。
成人のワクチン接種について
最近は乳幼児の場合は10種類以上のワクチン接種がありますが、成人のワクチンも以前のインフルエンザ、コロナばかりでなく、肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、さらにRSワクチン接種が一月から可能になりました。今後ますます色々なワクチンが開発されることが予想されます。
RSウイルスの感染は乳幼児期の感染症としては重要な感染症ですが、このウイルスは生涯をを通じて繰り返す感染症のため、また成人では風邪以上には重症化しない事が多いため、皆様にお知らせすることもありませんでした。
成人の場合は自然治癒も多いのですが、高齢者の呼吸器感染の場合は、重症化することが時々見られ、特に喘息、慢性気管支炎、COPDなどの基礎呼吸器疾患をお持ちの65歳以上の方は肺炎になるリスクが大きいのでワクチン接種の検討も必要と考えます。
RSウイルスが原因の肺炎は、入院期間が長く、30日を超えることが珍しくありません。
RSワクチン接種は60歳以上の方が対象で自費となり、およそ25000円です。
麻疹(はしか)について
昨今の報道で麻疹の感染者数の増加と、その重篤性についての注意喚起が盛んに言われています。
麻疹とはどんな感染症でしょうか。
症状:初めはいわゆる風邪症状で始まります。発熱、咳、くしゃみ、鼻水、目の充血などです。この時点では麻疹とは考え憎いのですが、一旦熱は下がりその後40度近い高熱となり、特有の発疹が出現します。肺炎や脳炎を引き起こし重症化する例がみられます。脳炎は1000人に1人の割合で起こり死亡する例もあります。
さらに稀ですが、麻疹が治癒した後5年ぐらいたってから「SSPE」亜急性硬化性全脳炎という病気を発症することがあります。SSPEは麻疹のウイルスが中枢神経に潜み長い潜伏期間を経て発症します。突然日常の行動ができなくなったり、異常行動が目立つようになります。亡くなることもあります。
麻疹の感染経路:患者の咳などにより放出されたウイルスを吸い込んで感染する、飛沫、接触感染ですが、新型コロナの10倍近い強い感染力があります。
麻疹の予防:麻疹には治療薬がないので、2回のワクチン接種を7歳まで(公費で接種可能)にしておく必要があります。ただし年代により未接種の方(1972年以前に生まれた方)もいます。1回しか接種していない方は2回目の追加接種が必要です。
これらの報道を受け麻疹のワクチン接種を希望する方が、急激に増加しています。
麻疹の流行といっても新型コロナやインフルエンザとは違います。冷静になり自分の抗体価を測定してから、予防接種をしても良いのではないかと考えます。
新型コロナウイルス感染症の治療費について
通常の医療体制に4月から移行するため公費負担は終了します。全額ではありませんが、医療費の自己負担に応じた窓口負担が必要です。