2024年01月05日
すずきクリニック健康倶楽部 令和6年新年号
従来のアルツハイマー型認知症の薬の代表として皆様ご存じのことと思いますが、「アリセプト」という薬がありました。多くの方が服用されていますがこの薬は根本的な治療薬ではなく、あくまでも進行を遅らせる薬です。
さて昨年末に『レカネマブ』という新しい薬が発売され実際の投与が始まりました。
レカネマブは認知症の原因となるアミロイドβを除去する働きがあります。作用はアリセプトとは異なります。
厚生労働省が定める最適試用推進ガイドラインに従い投与されなければなりません。ですからすずきクリニックで処方することはできません。
繰り返しますが、この薬は脳内に蓄積された「アミロイドβ」を除去する作用のある抗体治療薬です。
一般的な臨床像としては認知症テストのMMSEが22点以上のごく軽度の認知障害、または軽度の認知症であることに加え、さらにアミロイドPETあるいは脳脊髄液検査による脳内へのアミロイドβ蓄積が確認されることなど適応条件が厳密に定められています。
さらにARIA(アミロイド関連画像異常;浮腫と微小出血)と呼ばれる作用機序特有の副作用を認めることがあり、投与前の頭部MRIにてこの発現リスクが高いと判断されると投与ができません。
治療方法は2週間に1度静脈点滴治療となります。
もう一度くりかえしますが、対象者は軽度認知障害~軽度認知症の方です。この治療をご希望の方は申し出て下さい。病院を紹介いたします。
日本人の平均寿命は男女ともすでに80歳を越えた超高齢化社会です。その要因は色々あり一つに限るわけにはいきません。一般的な生活環境レベルの上昇や、医療技術の進歩が大きな要因であることに間違いはありません。特に悪性腫瘍、脳卒中、心疾患の治療レベルが飛躍的に向上したことは大きな要素です。ただしこれらの疾患のような明らかな原因疾患がなくとも寿命を縮める要素となる転倒を忘れてはいけません。
特に脚の筋力が年齢とともに衰え、細くなることが歩行速度を遅くしてしまいます。勿論ウオーキングは大事なことですが、ウオーキングだけでは筋力量の減少を食い止めることは不十分です。
それではどこの筋肉を鍛えたらよいのでしょうか。
まず元気に歩くためには大腿部の筋肉だけでなく大腿部の骨と脊椎をつないでいる大腰筋という内側の筋肉を鍛えることが大事なことです。この筋肉は直立姿勢の維持や、大腿部を上や前方に引き上げたりする為に働く筋肉です。
老化とともに筋肉の萎縮(減少)が生じ、特に脚と内側の腰の筋肉(大腰筋)の萎縮が顕著になります。大腰筋が衰えると歩き方が「すり足」気味となりちょっとした突起物につまずき、転倒しやすくなります。転倒により大腿骨や骨盤の骨折を招き、寝たきり状態になってしまうことが多々あります。
長期間の寝たきり状態は筋肉の萎縮をさらに招きケガが治っても歩くことが困難になり、結果的に寝たきり状態を招きます。
歩行速度は50歳代から徐々に低下が認められます。歩行速度は歩く時のピッチと歩幅の積で決まりますが、歩幅の減少のほうがより顕著に影響します。
具体的に下肢筋力をつけるには歩くことは大事なことですが、ウオーキングだけでは下肢筋力をつけるのは難しいようです。負荷をかけた筋トレを最低週2回は行う必要があります。同じ動作を10回1セットとして3セット朝夕にやりましょう。
沢山の筋トレ方法がありますが短い紙面で説明するのは難しいので基本動作を一つだけ示します。いわゆるスクワットです。新聞やテレビにもしばしば簡単なスクワットの解説の記事や番組がありますので何か一つ参考にしてやってみてください。
すずきクリニック健康倶楽部 令和6年新年号
アルツハイマー型認知症の新しい薬について
従来のアルツハイマー型認知症の薬の代表として皆様ご存じのことと思いますが、「アリセプト」という薬がありました。多くの方が服用されていますがこの薬は根本的な治療薬ではなく、あくまでも進行を遅らせる薬です。
さて昨年末に『レカネマブ』という新しい薬が発売され実際の投与が始まりました。
レカネマブは認知症の原因となるアミロイドβを除去する働きがあります。作用はアリセプトとは異なります。
厚生労働省が定める最適試用推進ガイドラインに従い投与されなければなりません。ですからすずきクリニックで処方することはできません。
繰り返しますが、この薬は脳内に蓄積された「アミロイドβ」を除去する作用のある抗体治療薬です。
一般的な臨床像としては認知症テストのMMSEが22点以上のごく軽度の認知障害、または軽度の認知症であることに加え、さらにアミロイドPETあるいは脳脊髄液検査による脳内へのアミロイドβ蓄積が確認されることなど適応条件が厳密に定められています。
さらにARIA(アミロイド関連画像異常;浮腫と微小出血)と呼ばれる作用機序特有の副作用を認めることがあり、投与前の頭部MRIにてこの発現リスクが高いと判断されると投与ができません。
治療方法は2週間に1度静脈点滴治療となります。
もう一度くりかえしますが、対象者は軽度認知障害~軽度認知症の方です。この治療をご希望の方は申し出て下さい。病院を紹介いたします。
老化が進行したら
日本人の平均寿命は男女ともすでに80歳を越えた超高齢化社会です。その要因は色々あり一つに限るわけにはいきません。一般的な生活環境レベルの上昇や、医療技術の進歩が大きな要因であることに間違いはありません。特に悪性腫瘍、脳卒中、心疾患の治療レベルが飛躍的に向上したことは大きな要素です。ただしこれらの疾患のような明らかな原因疾患がなくとも寿命を縮める要素となる転倒を忘れてはいけません。
特に脚の筋力が年齢とともに衰え、細くなることが歩行速度を遅くしてしまいます。勿論ウオーキングは大事なことですが、ウオーキングだけでは筋力量の減少を食い止めることは不十分です。
それではどこの筋肉を鍛えたらよいのでしょうか。
まず元気に歩くためには大腿部の筋肉だけでなく大腿部の骨と脊椎をつないでいる大腰筋という内側の筋肉を鍛えることが大事なことです。この筋肉は直立姿勢の維持や、大腿部を上や前方に引き上げたりする為に働く筋肉です。
つまづき→転倒へ
老化とともに筋肉の萎縮(減少)が生じ、特に脚と内側の腰の筋肉(大腰筋)の萎縮が顕著になります。大腰筋が衰えると歩き方が「すり足」気味となりちょっとした突起物につまずき、転倒しやすくなります。転倒により大腿骨や骨盤の骨折を招き、寝たきり状態になってしまうことが多々あります。
長期間の寝たきり状態は筋肉の萎縮をさらに招きケガが治っても歩くことが困難になり、結果的に寝たきり状態を招きます。
歩行速度の低下
歩行速度は50歳代から徐々に低下が認められます。歩行速度は歩く時のピッチと歩幅の積で決まりますが、歩幅の減少のほうがより顕著に影響します。
具体的に下肢筋力をつけるには歩くことは大事なことですが、ウオーキングだけでは下肢筋力をつけるのは難しいようです。負荷をかけた筋トレを最低週2回は行う必要があります。同じ動作を10回1セットとして3セット朝夕にやりましょう。
沢山の筋トレ方法がありますが短い紙面で説明するのは難しいので基本動作を一つだけ示します。いわゆるスクワットです。新聞やテレビにもしばしば簡単なスクワットの解説の記事や番組がありますので何か一つ参考にしてやってみてください。