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2016年01月05日
すずきクリニック健康倶楽部 平成28年新年号
皆様あけましておめでとうございます。皆さまとご家族のご多幸をお祈りします。
さて昨年は戦後70年の節目の年でしたが、依然として 戦後処理の問題が完全には解決していません。年末休診 の間にNHKのドキュメント番組を見る機会がありまし た。この百数十年の間の歴史を映像で伝える番組でした が、世界のどの国の支配者も自国の覇権のためには武力 をもって相手をねじ伏せるために戦争という手段をとっています。日本は戦後70年の間戦争に巻き込まれることなく平和を維持してきましたが、強引に安保法制を国 会通過させたり、辺野古のきれいな海を沖縄の人たちの 反対を無視して埋め立てようとしたり、戦争に加担し巻き込まれるのではないかといった政策には心配になります。増加する防衛費の一方で医療福祉の予算を何とか抑えようとするために今後も国民の医療費負担が一層増大することが、心配されます。

 

―ロコモー


昨年の新年号ではフレイルとサルコペニアという聞きな れない言葉を解説しました。 今回は似たような意味を持つ整形外科的な老化であるロ コモティブシンドロームについて説明します。健康寿命 を長く保つためには運動器の障害を起こさないことが、 大事です。ロコモ(略称)は骨、関節、軟骨、椎間板、 筋肉といった運動器に障害が起こり「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態を言います。日常的に進行 し最終的に自立ができなくなります。このことを防止するにはどうしたらよいでしょう。 五つのポイントがあります。

1) 若いうちからの運動習慣が重要です。骨や筋肉量のピークは20代~30代にあります。若いときの蓄積がないと40代50代になり新たな筋肉をつけることは難しくなり60歳を過ぎると思うように動けない体になってしまう可能性があります。

2) 痩せすぎや肥満も大敵です。痩せすぎると体を支える骨、筋肉が弱くなります。 肥満は腰やひざの関節に負担がかかり壊れた軟骨の修復が難しくなります。

3) 活動量を減らさない事 エレベーターや自動車 に頼りすぎる生活は筋力を低下させます。できるだけ歩きましょう。

4) スポーツのやりすぎにより生じるケガや事故に注意しましょう。最近ジムで運動する方がたくさん います。このことは良いことですが、無理に負荷を かけすぎるトレーニングはケガ、事故のもとです。

5) 痛みやだるさを放置しないでください。運動中や後の痛みがあるときは休みましょう。それでも 改善しないときは医療機関を受診しましょう。適切 な治療が必要になるかもしれません。自己判断は危険です。

もう一つ大事なことがあります。骨や筋肉を強くする食 生活です。骨を強くするためには、カルシウムですが、日本人は摂取不足がちです。またビタミンDやビタミンKも必要です。鮭やキノコ類を摂りましょう。食塩やカフェインはカルシウムの吸収を妨げます。筋肉を強化するには、炭水化物や脂質を取りながら必須アミノ酸の多いいろいろな蛋白をとる必要があります。 いつまでも自分の足で歩けるように、できることから始 めてみてください。

ロコモテスト https://locomo-joa.jp/check/test/参考にしてください

 

―受診時のマナーについてー


冬になると毎年患者さんにお願いしたいマナーがありま す。協力をお願いします。医者は初めての患者さんを拝 見するときにまず姿、歩き方、顔色などをチェックしま す。これを視診といいます。 冬になると帽子をかぶりマスクを付け厚いコートを着た まま診察室に入ってこられる方が目立ちます。視診が成り立ちません。少なくとも診察室に入りましたら帽子や マスクは自発的にお取りしていただけないでしょうか。 もう一つ血圧を測るときには肘の動脈の拍動音を聴いて 測定します。最近沢山の患者さんが温かいヒートテック の下着をお召です。この下着は袖をまくったときに動脈 を圧迫して血圧がきちんと測れない場合があります。袖 口のルーズな下着でおいでいただきますと時間的にも助 かります。以上の2点よろしくお願いします。

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