2017年04月03日
すずきクリニック健康倶楽部 平成29年春季号
今年の桜の開花宣言は大変早く東京が一番でしたが、その後のお天気の冷え込みが強く 4 月 2 日現在赤羽地区の桜の多くは五分咲き程度のようです。朝晩の冷え込みが強く風邪には十分注意しましょう。
3 月 12 日より道路交通法が改正されました。 今回の改正の注目点は高齢運転者の事故の増加への対策です。
最近たびたび高齢者による高速道路の逆走やブレーキとアクセルの踏み違いによる暴走事故などが、マスコミをにぎわしています。これを防ぐための一つの方法として、認知機能の低下が原因の記憶力や判断力の低下による事故を未然に防ぐ対策が取られることになりました。
75 歳以上と以下の方の死亡事故率は 75 歳以上が 2 倍以上になります。認知機能の低下により記憶力・判断力の衰えが顕著になりそのことが事故に結びつきやすくなるのです。75 歳以上が起こした死亡事故を検証してみると 42%に認知症の恐れ、認知機能低下の恐れがあることがわかりました。
記憶力・判断力に問題のない人と低くなっている人を比較すると、信号無視は 2.3 倍、一時不停止は 1.8 倍。運転操作不適が1.4 倍となります。
そこで改正道路交通法では 75 歳以上の運転免許更新時に事前に認知機能検査を受け、認知症の恐れありと判断された場合には臨時適性検査又は医師の診断書提出命令が出されます。医師の診断の結果認知症と診断された場合には運転免許取り消しの対象となります。
また、75 歳以上の運転者が認知機能が低下した時に起こしやすい違反行為(信号無視、通行区分違反、一時不停止など)を起こした場合には臨時の高齢者講習が課されます。
高齢者は若いときと比べ認知機能だけでなく身体的にも衰えが来ます。先日私も 70 歳になったために高齢者講習を受けました。
まだ後期高齢者ではないので高齢者講習は認知症の検査ではなく運転能力の衰えがどの程度であるかを自覚させるための講習会で、動体視力や運転時の反応速度を見る検査が主体でした。交通事故は被害者はもちろんの事、加害者である運転者にとっても大きな精神的なダメージとなります。悪質とみなされるような事故の場合には加害者が交通刑務所に収監されることもあります。自分の運転能力の衰えを感じた時には免許証を自主返納することにより重大な事故を未然に起こさないことも大切なことと考えます。
ニセ医療といっても沢山の事例があり簡単にはお話しできません。例えばこんなに科学が発達した時代にも信じられないような「祈祷師」を信じて死亡を招いてしまうようなことがありますが、これは極端なニセ医療でしょう。それ以外にも沢山の民間療法があり、それにのめりこんでいる人もいます。例えば「ホメオパシー」というインチキ医療があります。歴史のある理論で初めは医師の資格のある人が提唱したものでした。レメディーという薬?を(単なる砂糖玉のようなもの)何百倍にも薄めて飲むのです。当然効果もなければあまり副作用も出ないのでしょう。しかしながらこの民間療法によってビタミンK喪失による死亡事故が起きています。極端な話かもしれませんが、本当の話です。
今回はマスコミにより作られる間違った医学の知識やコマーシャルによるだましについて考えたいと思います。以前放映されたたけしの本当に怖い家庭の医学や、ためしてガッテンというNHKの番組を皆さん見たとことがあるでしょう。そのほかにもたくさんの医学のバラエティー番組があります。これらの番組は確かに一部は視聴者を啓発するような面もありますが、まだ医学界では十分に認められていないようなトピックスをあたかも真実のように伝えることがあります。
最近ためしてガッテンで取り上げた糖尿病の番組の中で、睡眠薬が糖尿病を治すというような話題の持って行き方の番組となり、後日NHKは訂正と謝罪を番組の中で放映しました。こればかりでなく、ためしてガッテンではコラーゲンでしわが取れるといったことや○○ダイエットといったたぐいの番組を放映し納豆やバナナが店頭から消えてしまうような視聴者を煽るような危険な番組作りをしています。新聞でも医療ジャーナリストと称する人たちの記事がたくさん載っていますが、かなり怪しい記事も見られます。
私は今までにも健康倶楽部でサプリメントがほとんど効果のないこと、まれに副作用が出ることなどを皆様にお伝えしてきましたが、高価な効果のないサプリをだまされて食べないように再度警告したいと思います。
すずきクリニック健康倶楽部 平成29年春季号
今年の桜の開花宣言は大変早く東京が一番でしたが、その後のお天気の冷え込みが強く 4 月 2 日現在赤羽地区の桜の多くは五分咲き程度のようです。朝晩の冷え込みが強く風邪には十分注意しましょう。
改正道路交通法と認知症
3 月 12 日より道路交通法が改正されました。 今回の改正の注目点は高齢運転者の事故の増加への対策です。
最近たびたび高齢者による高速道路の逆走やブレーキとアクセルの踏み違いによる暴走事故などが、マスコミをにぎわしています。これを防ぐための一つの方法として、認知機能の低下が原因の記憶力や判断力の低下による事故を未然に防ぐ対策が取られることになりました。
75 歳以上と以下の方の死亡事故率は 75 歳以上が 2 倍以上になります。認知機能の低下により記憶力・判断力の衰えが顕著になりそのことが事故に結びつきやすくなるのです。75 歳以上が起こした死亡事故を検証してみると 42%に認知症の恐れ、認知機能低下の恐れがあることがわかりました。
記憶力・判断力に問題のない人と低くなっている人を比較すると、信号無視は 2.3 倍、一時不停止は 1.8 倍。運転操作不適が1.4 倍となります。
そこで改正道路交通法では 75 歳以上の運転免許更新時に事前に認知機能検査を受け、認知症の恐れありと判断された場合には臨時適性検査又は医師の診断書提出命令が出されます。医師の診断の結果認知症と診断された場合には運転免許取り消しの対象となります。
また、75 歳以上の運転者が認知機能が低下した時に起こしやすい違反行為(信号無視、通行区分違反、一時不停止など)を起こした場合には臨時の高齢者講習が課されます。
高齢者は若いときと比べ認知機能だけでなく身体的にも衰えが来ます。先日私も 70 歳になったために高齢者講習を受けました。
まだ後期高齢者ではないので高齢者講習は認知症の検査ではなく運転能力の衰えがどの程度であるかを自覚させるための講習会で、動体視力や運転時の反応速度を見る検査が主体でした。交通事故は被害者はもちろんの事、加害者である運転者にとっても大きな精神的なダメージとなります。悪質とみなされるような事故の場合には加害者が交通刑務所に収監されることもあります。自分の運転能力の衰えを感じた時には免許証を自主返納することにより重大な事故を未然に起こさないことも大切なことと考えます。
ニセ医療
ニセ医療といっても沢山の事例があり簡単にはお話しできません。例えばこんなに科学が発達した時代にも信じられないような「祈祷師」を信じて死亡を招いてしまうようなことがありますが、これは極端なニセ医療でしょう。それ以外にも沢山の民間療法があり、それにのめりこんでいる人もいます。例えば「ホメオパシー」というインチキ医療があります。歴史のある理論で初めは医師の資格のある人が提唱したものでした。レメディーという薬?を(単なる砂糖玉のようなもの)何百倍にも薄めて飲むのです。当然効果もなければあまり副作用も出ないのでしょう。しかしながらこの民間療法によってビタミンK喪失による死亡事故が起きています。極端な話かもしれませんが、本当の話です。
今回はマスコミにより作られる間違った医学の知識やコマーシャルによるだましについて考えたいと思います。以前放映されたたけしの本当に怖い家庭の医学や、ためしてガッテンというNHKの番組を皆さん見たとことがあるでしょう。そのほかにもたくさんの医学のバラエティー番組があります。これらの番組は確かに一部は視聴者を啓発するような面もありますが、まだ医学界では十分に認められていないようなトピックスをあたかも真実のように伝えることがあります。
最近ためしてガッテンで取り上げた糖尿病の番組の中で、睡眠薬が糖尿病を治すというような話題の持って行き方の番組となり、後日NHKは訂正と謝罪を番組の中で放映しました。こればかりでなく、ためしてガッテンではコラーゲンでしわが取れるといったことや○○ダイエットといったたぐいの番組を放映し納豆やバナナが店頭から消えてしまうような視聴者を煽るような危険な番組作りをしています。新聞でも医療ジャーナリストと称する人たちの記事がたくさん載っていますが、かなり怪しい記事も見られます。
私は今までにも健康倶楽部でサプリメントがほとんど効果のないこと、まれに副作用が出ることなどを皆様にお伝えしてきましたが、高価な効果のないサプリをだまされて食べないように再度警告したいと思います。