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2017年10月01日
すずきクリニック健康倶楽部 平成29年秋季号
今年の夏は天候不順で体調を崩された方が多数おられたことと思います。最近はすっかり秋の気候となり涼しくなってきましたが、北朝鮮問題では世界の情勢がどのように動くかもわからず、また突然の解散総選挙があるなど何となく落ち着かない日常です。

さて10 月は75 歳以上の方の検診、胃がん検診、インフルエンザ予防接種などが重なり、普段より混雑するため待ち時間が長くなることをお許しください。ただし体調の極端に悪い方の場合には早めに診察室に入っていただくこともありますのでご協力お願いします。

 

亜鉛と味覚


医師である私も知らない病気が沢山あります。その中には沢山の難病もあります。

色々な訴えでお見えになる患者さんがいますが、重大な疾患のこともあれば、単に気持ちの問題でご自分の具合が悪くなってしまう場合があります。

そのような中で色々な病気が見つかることもありますが、さほど重病というわけではありませんが、亜鉛が不足することによる不定愁訴があります。口内炎、皮膚炎、貧血、脱毛、傷が治りにくい、などの症状の中に亜鉛不足が原因のことがあります。

亜鉛不足が引き起こす症状で一番有名なのが味覚障害です。味覚は生存のために必須のセンサーです。舌の前方 3 分の2を鼓索神経、後方3 分の1 を舌咽神経が支配し味覚を感じていると考えられています。味を感じる味蕾細胞は約 10 日で入れ替わりますが、その時に亜鉛が必要とされています。味がわからなくなったり、口の中の違和感の訴えがあれば、当然亜鉛の測定を行います。

それではどんな場合に亜鉛不足になることがあるでしょうか。腎不全、肝臓病、糖尿病などの疾患をお持ちの方、関節リウマチやパーキンソン病などの薬を服用している方、またご高齢で食が細くなったり、若い方では偏食のある方などが亜鉛不足になることがあります。

味覚に関しては野菜摂取を心がけると甘味、塩味の感度がよくなり、心臓病、高血圧、透析患者では塩味の感度が低くなります。数日間減塩食を続けると味覚が改善するといわれます。

従来亜鉛不足のための医薬品がなかったために、代わりに亜鉛を含む「プロマック」という胃薬を処方したり、サプリメントの「亜鉛」を服用することをおすすめしました。しかし最近「亜鉛」を補充のための医薬品が発売になりました。「ノベルジン」という名前の薬です。副作用として立ちくらみや歩きにくいと感じる症状が出ることがあります。決められた用量で服用することが大切です。

 

冬の感染症について


冬の感染症の王様は何といっても「インフルエンザ」です。ところが近年はインフルエンザの季節感が随分と様変わりしています。従来は12月末から3月くらいまでが流行の季節ですが、最近はこの期間からはみ出して、夏の暑い時期にもまれにインフルエンザにかかる方がいます。今年はすでに学級閉鎖になるような流行が一部地域で報告されています。

10月3日からは例年どおり高齢者インフルエンザ予防接種が始
まります。インフルエンザのワクチンは毎年その年に流行しそうな株を 3 種類ぐらい含んだワクチンを作成します。年によって当たり外れがあるようですが、あくまでも予防のための接種ですので、できるだけ多くの方が接種を受けるようにお勧めします。

10 月初めから自己負担2500 円で接種できますが、いつ頃接種するのがよいのでしょうか。流行期間のことを考慮すると11月になってからで、できれば11月中に受けていただくのがよいのではと考えています。はたして今年のインフルエンザはどんな流行となるのでしょうか。

もう一つ、冬に多い感染症でインフルエンザより重篤になりやすいのが肺炎です。肺炎にはいろいろな細菌が引き起こすもの、またウイルスが原因となる肺炎もあります。マイコプラズマ肺炎はウイルスによる肺炎です。肺炎の中でも肺炎球菌が原因となるものが一番多く、症状も重篤になることがあります。公費負担で予防接種を受けることができますが、補助は今年度でおしまいとなります。すべての肺炎から守られるわけではありませんが、ご高齢者はワクチン接種を受けられることをお勧めします。

その他、冬に流行する感染症として感染性の胃腸炎があります。ロタウイルスやノロウイルスが原因の胃腸炎で、ロタウイルスはワクチンがありますが、ノロウイルスにはありません。どちらも家族内にとどまらず集団感染することがありますので、特に高齢者では注意が必要です。もちろん細菌性の胃腸炎もあります。これも季節感がだいぶ薄れており、冬にもしばしば発生します。

注意
最近薬をきちんと服用しない方が多数います。変更したいときは必ず医師に相談のうえ、決めましょう。大切な薬を勝手にやめるのは重大な事故のもとです。

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