アイキャッチ

2019年01月04日
すずきクリニック健康倶楽部 平成31年新年号
平成最後の新年を迎えました。まだ新しい元号も決まっていませんが今年はどんな年になるのでしょうか。昨年は「災」が一年の漢字となりましたが、今年の漢字は「幸」とか「福」にならないかなと希望します。今年一年の皆様のご多幸をお祈りいたします。

 

睡眠薬治療の適正化のために


不眠を訴え、睡眠薬を服用している方が多数おられます。特に70歳を超えると不眠を訴える方が急激に増え、70歳以上では有病率が高くなり20%をこえ、80 歳以上の方々の場合にはさらに多く30%以上が不眠症になっています。不眠・睡眠不足の影響は{中枢神経系}{自律神経系}{代謝・内分泌系}{免疫系}といったあらゆることに害を及ぼす可能性があります。70 歳代の生活習慣病を有する人たちの20%が睡眠薬を服用していますが、一方で生活習慣病のない人たちは4%の人たちしか睡眠薬を必要としていません。若い時からの生活習慣病の予防が大切です。

不眠症で認められる代表的な生活障害を挙げてみます。日中の眠気、疲労感、倦怠感、注意力、集中力、記憶力の低下による作業能率の低下、抑うつ気分やイライラ感からくる鬱症状、意欲低下などの社会活動性の低下、また眠気だけでなく頭痛や消化器症状などが出現する場合もあります。

それでは不眠症の治療はどうしたらよいでしょうか。多くの場合には薬に頼ることが多いのですが、その前に生活の見直しが大切です。定期的に運動をしたり、寝室環境の改善を図りましょう。たとえば音や光の対策や室温の調整も大事です。就寝前の水分の摂りすぎは注意しましょう。

よく眠るためには飲酒がよいとお考えの方が多いと思いますが、これは一部誤りと考えましょう。アルコールは一時的に寝つきはよくなりますが、深い眠りが減り夜中に目が覚めやすくなります。カフェインは寝つきを悪くします。就寝の 4 時間前には取らないようにしましょう。(日本茶 コーヒー 紅茶 コーラ チョコレートなど)喫煙はどうでしょうか。ニコチンに精神刺激作用があるので夜の喫煙は避けましょう。また満腹や空腹は眠りを妨げます。

眠気のないときに床についてもすぐには眠りに入れません。色々な生活習慣を改めても眠りがしっかり取れない場合には睡眠薬に頼らざるをえません。

睡眠薬の種類には大きく分けると 4 種類あります。1)ベンゾジアゼピン系 2)非ベンゾジアゼピン系 3)メラトニン受容体作動薬 4)オレキシン受容体拮抗薬の 4 種類です。昔使われていたバルビツール酸系の睡眠薬は安全性に問題があり今ではほとんど使われなくなりました。

現在よく使用されている睡眠薬はベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系ですが具体的な一般名はハルシオン レンドルミン デパス ロヒプノールなどがあります。非ベンゾジアゼピン系としてはマイスリー アモバン ルネスタの3つがありベンゾジアゼピン系とくらべ筋弛緩作用が少なく脱力感や転倒の危険が少ないといわれ、高齢者には適しています。

メラトニン受容体作動薬のロゼレムは睡眠覚醒サイクルのリズムに重要な役割を果たしているメラトニンの減少しやすい高齢者には適した睡眠薬ですが、やや効果が弱いようです。最も新しく発売されたオレキシン受容体作動薬のベルソムラは覚醒を推進するオレキシンの作用を抑制し睡眠の改善を図る薬剤です。これらの薬は不眠のタイプ、年齢などを考慮して使い分ける必要があるので自分の不眠がどんなものかを医師に話して選択してもらうのがよいでしょう。

睡眠薬を服用するにあたりいくつか注意することがあります。
アルコール飲用時には睡眠薬を服用してはいけません。不安緊張が高まり錯乱や攻撃性が増したりすることがあります。睡眠薬には依存性があります。時には作用の異なる薬に変更したり思い切って減量することも必要です。

よく認知症になるのではないかとの不安を持つ方がいます。現時点では睡眠薬が認知症を引き起こすとの証拠はありませんが、逆にその恐れがないとも言えないようです。一過性の健忘症が出現したり、抑うつ状態になることもあります。自分で勝手に増量することは大変危険なことです。必ず医師に相談してください。

いずれにせよ生活習慣や環境を変え睡眠薬を少なくすることは大切なことです。

 

インフルエンザ予防接種のお詫び


今年も昨年と同じように予防注射が不足しご希望された時に必ずしも接種できなかった方がたくさんおられます。申し訳ありませんでした。12 月末になりやっと注射液が供給されてきました。幸いなことに今年度のインフルエンザの流行はこれからのようです。まだ間に合うと思われますのでご希望の方は受付に申し出てください。

インフルエンザ治療薬に今年から新薬が発売されました。「ゾフルーザ」という名前の薬です。作用機序は従来の「タミフル」などとは異なります。1回2錠服用で治療は終了です。

 

一覧へ戻る


すずきクリニック
すずきクリニック 外観
住所
北区赤羽2-69-4
クリニックプラザ21 1階
赤羽駅8分・赤羽岩淵駅2分 
TEL
03-3598-3310
受付
09:00~12:30
14:30~18:30
診療 日祝
午前09:00〜12:30
午後14:30〜18:30

休診日:木曜午後・土曜午後・日祝日

臨時休診・診療時間の変更はお知らせをご覧ください

休診日:木曜午後・土曜午後・日祝日

臨時休診・診療時間の変更はお知らせをご覧ください