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2022年04月01日
すずきクリニック健康倶楽部 令和 4 年春季号
コロナウイルスの流行から、既に 2 年が経ちました。まさかこんなに長期にコロナを克服できないとは想像もできなかった事です。ウイルスは変異を続け昨年末からはオミクロン株が大流行の 6 波となり、最近はその亜型の BA2に置き換わりつつあります。

予防のためのワクチン接種も 3 回接種を終えた方が40%を超えてきましたが、オミクロン株の感染数は高止まりです。

当院で検査をし、感染を確認できた方を見ていると若者の場合はワクチン接種をせずに友人と会食後に発病する方をよく見ますが多くの場合は感染機会、感染場所のわからない方と、お子さんからご家族に次々に感染が拡がる場合が多々みられます。

ご高齢の方の感染者は、すずきクリニックでは、滅多におりません。その理由は皆さんワクチン接種をきちんとして、スーパーに買い物に行くぐらいで、あまり外出しないのが良いのだろうと考えられます。ただし家に閉じこもるのは良くないので毎日時間を決めて、あまり人のいないところを歩くのが良いと考えます。

今後コロナの流行はいつまで続くのでしょうか。今のところ終息のみとうしはまるっきりわかりません。

先月は、コロナでない重症疾患で入院の必要な方の入院受け入れ先が見つからず、難渋したことが何回もありました。病院の空きベットがコロナ患者に占拠されたり、病院スタッフにも感染者、濃厚接触者が多数出た事が受け入れ困難になった原因のようです。

3 月末から蔓延防止法が解除されたこともあり、お花見と重なり人出も多くなっています。

おそらく今後も当分の間はコロナとの戦いが、続くことが予想されます。ご自分でできる範囲の防御が大事なことと考えます。

 

―心不全についてー


最近心不全治療に関して新しいタイプの治療薬が使えるようになりました。

以前は心不全の原因疾患というと弁膜症が一番でした。そしてその後、心筋梗塞の患者さんが増加しました。心筋梗塞後の後遺症的に心不全となる患者さんが多数います。

そして高齢化社会がどんどん進行するにつれて心房細動を起点とする、心不全が急激に増えています。

さて心不全の薬物療法についてですが以前は利尿剤であるラシックスと強心剤のジギタリスを組み合わせる治療しかなかったのですが、20 年ぐらい前にβブロッカーと言われる心臓の働く力と脈拍を抑える薬を少量使用すると心機能を改善するということがわかりました。

この話を最初に聞いたときになぜ心臓の収縮力を抑えるβブロッカーが心機能を改善するのかというのが大変不思議でした。しかし今や心不全治療薬として絶対的な地位を占めています。

その後十数年の間、新たな心不全治療薬はありませんでしたが2-3 年前から今までと働きの違ういくつかの新薬が承認されました。

その一つがサクビトリル・バルサルタンです。(ARNI)また糖尿病治療薬の SGLT2という尿から糖を排泄して糖尿病を治療する薬のフォシーガやジャディアンスに心不全を改善する働きのあることがみとめられました。さらにMR 拮抗薬という以前からラシックスと一緒に使われていた利尿効果のあるアルダクトンというお薬が心不全治療に効果があることがわかり盛んに使用されます。その他イバブラジン、ベルキューボという新しい心不全治療薬が保険で使用できるようになっています。

慢性心不全の経過は 4 段階に分けられ、クラス C になると入院を繰り返すようになります。そして次第に心臓だけでなく体全体のあちこちの臓器に障害が起こり最終的に死に至ることになります。

そこでまだ症状の強くなる前に適切な治療を導入することが必要となります。心不全の病状の把握には心臓超音波検査で左室駆出率の算出が必要ですが、血液検査でもある程度の評価ができます。BNP という検査です。

どんな病気でも早期発見、早期治療介入が大事です。
息切れ、動悸、むくみなどが出現したときには遠慮なく教えてください。

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